フェラーリ「ミトス」

この車はフェラーリの車のボディをデザインしている「ピニンファリーナ」が作ったコンセプトカーです。1989年の東京モーターショーで展示されました。ベースとなった車はテスタロッサで、このタミヤのキットもテスタロッサのシャーシやエンジンが流用されています。
このミトスを作るきっかけは模型雑誌の広告に載っていたミトスを見て「変なカタチのクルマだ…」と思ったから(^^;。タミヤのこのキットは今では絶版となっていますが、たまたま行った模型店で在庫があり、このヘンな形のクルマを作ることにしました。
今回作成するにあたってのテーマは「スジ彫り&指定色塗り」です。先のエンジン強化月間で細かい作業や面倒な作業に負けない…という課題をクリアしたので、初めて組み立て説明書の通りに塗装することにしました。いつもはシャーシ裏などは形成色が黒なので塗装は省略していたのですが、今回はとにかく説明書通りに塗装することにしてみました。
また、クリアパーツをカットする為に買ったハセガワトライツールのノコギリセットはお店の人の話によるとスジ彫りにも使えるという事ですので、初めてスジ彫りなるものに挑戦してみました。ドアなどのパネルラインに凹モールドが入っているのですが、それを更に深くハッキリさせる作業です。
スジ彫りはやってみると結構難しいです。凹んだ部分の幅と深さを均一にするのが綺麗に見せるコツですが、これが難しい。直線は均一にしやすいのですが、角の緩やかなカーブはなかなか一定の幅になりにくいのです。そうこうしているうちに、全体的に幅広くなってしまいました(^^;。やってみた効果は…苦労の割にはあまり変化が無いように見えますが(^^;、ボンネットなど可動するパーツがあると、そのラインとの統一感が生まれるのでいいですね。今のところスジ彫りしたモールドに墨入れはしない方針なので分からないのですが、もしかして墨入れをするとスジ彫りの効果がはっきりと分かるかも知れません。
塗装については今回もカプチーノみたいにトラブル続きでした。シャーシや室内、エンジンはずいぶん前に組み上がったのですが、ボディの塗装はトラブルで遅れる一方。
塗装前にパーツを洗浄して、水滴を飛ばそうとして振ったら、エンジンカバーのパーツに思わぬ力が加わって割ってしまいました。それから塗装中にミスして赤いボディに他のパーツに塗装していた黒色が付いたり、赤を吹き過ぎて塗料が垂れたり、モールドが埋まったり、塗装中ボディを固定していた両面テープがはがれてきてボディを落として塗装面を汚したり、何回もボディの塗装のやり直しをしました(^^;。塗装に限らずパーツは丁寧に、やさしく扱うことが大切だと言うことを思い知らされました(^^;;。
指定色による塗装ですが、色を塗る/塗らないはそんなに重要じゃないと思いました。もっと大切なのはツヤによる質感の統一です。大雑把に分けて「ツヤあり」「半ツヤ」「ツヤ消し」の3パターンがありますが、ミトスの場合、ボディはツヤありに、シートはツヤ消しで、それ以外は半ツヤに塗装することによってメリハリが生まれてきます。シャーシが形成色のままだと他のパーツとのツヤの感じが少し違うので違和感が出てきます。その違和感を消すのは大切な作業だと思いました。これからは面倒臭さがらずにシャーシ裏も塗装することにします。またツヤも3パターンだけでなく、もっと使い分けが出来るようになると完成度を上げることが出来るでしょう。当面は3パターンのみですけど。


「MYTHOS」の文字はインレットマークという金属製の薄いシールです。とても精密で、デカールでは出せない金属の輝きが特徴。ボディサイドの「pininfarina」のロゴはインレットでしか表現できない…という感じですが、フロントのフェラーリのエンブレムまでインレットにしたのは、やり過ぎです(^^;。私の技術ではこんな細かい部分の塗装は無理です。なので銀色のままにしてあります(^^;;。
しかし、完成までこぎつけられてホントに良かったです。一時はどうなるかと思いました(^^;。見なれた…というより見飽きたボディも最後の研ぎ出し作業に入ると、見違えるように綺麗になって、今までの苦労が報われる感じがしました。ボディに色々なパーツをつけていくと、どんどんクルマの形になっていくのがホント楽しいし、組みあがると思ったよりも格好良くて、何度も眺めてしまいました(^^)。
作成:2002-09-03 更新:2003-06-02