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初めてのガレージキット作成


 WFにどうしても欲しいキットがあり、何回か買いに行ったのでガレージキットは結構持っていますが、作るのは初めてでした。合同展示会にて4機合わせの話があり、初挑戦してみましたが、正直、ガレキ道は甘くなかったですね。ものすごく大変な思いをしたと同時に、たくさんの経験を積むことが出来ました。思うところをつらつらと書いていきます。

 ガレキに関係なく、プラモ作りにも関わることなのですが、私自身、とても手が遅いです。作業で結構迷いながら手探りで作る。締切に合わせて工程を刻んでいくのではなく、順番に作業していって、最後のパーツが終わったら組み上げて完成。そのやり方では自分のペースや都合で作業できますが、締切のある作品作りには向かないやり方であることを思い知らされました。

 締切のある作品作りは「間に合わせること」を目標にして、細かいところは目をつぶってでも完成を目指す。とにかく連続して手を動かす。どんどん手を動かしていく。もし工程に余裕があれば細かいところにこだわってもいいけど、締切に間に合わせる為に作品のクオリティが下がるなら、それも含めて自分の実力です。もちろん人様に観てもらう作品なのですから、いつもより頑張らないと…という思いも出ますが間に合わなければ何もならないな…と強く思いました。反省。

 ガレージキットを作ってみて分かったことは、プラモは主に「パーツ同士の合わせ目を消す」のがメインの作業になってきますが、ガレージキットは「パーツの段差を消す」のがメインになってきます。シリコンの型を合わせて作る以上、パーツの段差は避けられません。段差は削れば本来の形より小さくなり、パテを盛れば本来の形より大きくなります。キレイな「面」を出していくのは結構難しく、経験を積むしか無いと思いました。

 また、軸打ちも必須です。補強と位置決め、塗装の時の持ち手も兼ねて全てのパーツに軸打ちをしても良いくらいでした。

 塗装に関してはプライマーを塗布してサフまで行ったら、あとはプラモと同じになります。でも剥離剤をよく落としておかないとマスキングを剥がす時に塗膜が一緒に剥がれる危険性があります。下地作りは丁寧にやっておかないとリカバリーが大変です。

 ここまでの作業全体を全部ひっくるめて取り掛かるのがガレキ作りには大切で、全体像を把握しないと後になって色々破綻してきます。全体像をある程度把握して作業を進めていく、完成をイメージして進めていくやり方は今までやったことのない、苦手で避けていた方法でした。プラモデルメーカーが用意したパーツがキッチリ組み上がることを前提に、ひとつひとつのパーツをキレイに仕上げていって、作業するパーツがなくなるまで繰り返していく…割と行き当りばったりの方法で作っていましたが、それではどうしてもスピードが上がっていかないですね。スピード感が無いと前に進んでいる実感が無いので、段々辛くなってついつい作業から離れてしまう。余計に進まなくなるループです。

 今回、作ってみて、何とか完成にまで持っていけたのは周りの人の応援があったからで、正直、サフを吹く時間がなくてサフレス塗装になってしまったし、気泡埋めは一切やっていません(パーツ端の欠けは修正しました)。腕の反応弾は接着に失敗して、何回もシアノンでくっつけたので塗装とデカールが溶けて剥がれて、シアノンもはみ出ている状態ですが、幸い目立たずに済みました。今までの自分からすると納得が行かない箇所が多くて、最初からやり直したい思いが何回も出てきましたが、いざ完成すると、とてもかっこよくて惚れ惚れするんですね。これは原型が良くてカッコいいのが大きいです。何度も眺めて見るのですが、自分が作ったとは思えないカッコいい完成品が目の前にあって不思議な感覚です。

 何から何まで初めてだらけでしたが、先行して道を示してくれたブルズアイの皆さんのお陰で完成し、宝物を手に入れることが出来ました。間に合わなかった悔しさや上手く行かなくて投げ出したくなる時もありましたが、皆さんの応援があって乗り越えられたし、それらの思いを力に変えてこれからもプラモ道、ガレキ道を進んでいきたいと思っています。応援してくれる仲間がいるのは本当にありがたいことだなぁ…としみじみ思いました。ありがとうございます。


作成:2019-08-03